こんばんは。前回まで、速さの問題が出てきた場合に書くべき図として状況図やダイヤグラムを紹介してきました。
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前回の問題は、状況図、ダイヤグラムどちらを用いても解くことができましたが、今回はどちらか一方しか使えない問題を扱ってみたいと思います。
問題
家から駅までの道のりは1.5㎞です。家と駅の間を姉は自転車で毎時15㎞の速さで2往復し、弟は一定の速さで走って1往復します。姉と弟は同時に家を出発しましたが、弟が駅で5分間休憩したため、弟は姉より1分遅れて家にもどりました。このとき、各問いに答えなさい。
⑴弟の走る速さは毎時何㎞ですか。
⑵姉と弟が初めてすれちがうのは家を出発してから何分何秒後ですか。
⑶姉が弟を追い越すのは駅から何㎞のところですか。
今回の問題は文章が短いため、情報量が少なく、一瞬状況図かダイヤグラム、どちらを書いた方が良いのか迷うかもしれません。
本問のキーワードは、「往復」です。姉は家から駅までの2往復、弟は1往復と動きが単純であることに気づくことができます。
このような場合はダイヤグラムを選択すべきです!!
状況図を書く場合には、前回のようにグラフが与えられるなど情報量が多い場合には有効ですが、本問のように、①情報量が少なく&②単純な往復な場合にはダイヤグラムを選択する1つの目安になります。
・グラフが与えられるなど、情報量が多く、ある時こくでの登場人物の動きが表せそうな場合
→状況図の方が有効
・情報量が少なく、登場人物の動きが単純な場合(例:往復)
→ダイヤグラムの方が有効
では、今回はダイヤグラムを用いて解き進めたいと思います。
それでは、順を追って書き方を解説していきます。
解説
グラフの外わくを用意します
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/名称未設定のノート-9.png?resize=1024%2C708&ssl=1)
姉の2往復のグラフを書きます
姉の方が速さが速いので、少し傾きを大きくして書いていきましょう。
単純な往復なので、線は光の反射のように書いていくと良いです。
また、姉の速さがわかっているので、片道の時間も書きこんでしまいましょう。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/名称未設定のノート-11.jpg?resize=1024%2C719&ssl=1)
弟の1往復のグラフを書いていきます
弟の方が遅いので、姉よりも傾きはゆるく書いていきます。
5分休憩しているので、そこは平らで表し、帰りは姉より1分遅れてとあるので、24分の少し右側にくるように線を結んでいきます。
これで完成です。単純な往復のグラフなので、線対称な図形になることがわかります。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/名称未設定のノート-13.jpg?resize=1024%2C721&ssl=1)
⑴
弟の速さは簡単に求めることができますね。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/⑴.jpg?resize=1024%2C720&ssl=1)
⑵ 2通りの解法を考えてみます。
(解1)旅人算
6分後に着目し、出会いの旅人算と考えてあげましょう。
2人の速さが時速なので、時間の単位変換に注意しましょう。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/⑵旅人算で.jpg?resize=1024%2C721&ssl=1)
(解2)速さと比
ダイヤグラム特有の図形的な視点で解いてみます。
緑の三角形に注目し、弟:スタート〜☆までと兄:☆〜12分までの2人の移動距離が等しいことに気づきましょう。
距離一定の場合、速さと時間の比は逆比になることから、スタート〜☆:☆〜12分=5:3になることがわかります。
12分を5:3に分けたうちの、5にあたる時間を求めれば良いです。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/⑵速さと比.jpg?resize=1024%2C721&ssl=1)
⑶ここも2通りの解法を考えてみます。
(解1)旅人算
18分後に着目し、追いかけの旅人算と考えてあげましょう。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/⑶旅人算.jpg?resize=1024%2C714&ssl=1)
(解2)相似
ダイヤグラムを採用したときに使える、相似に着目してみます。
むらさきの三角形に注目しましょう。砂時計型の相似であることに気づけると思います。
時間=相似比と考えて、相似比が3:1と求まることから、ア:イ=3:1になることがわかり、1.5㎞を3:1に分けたうちの、3にあたる距離を求めれば良いことがわかります。
![](https://i0.wp.com/kateikyoshitoshi.com/wp-content/uploads/2021/05/⑶相似.jpg?resize=1024%2C712&ssl=1)
まとめ
・本問の場合は、動きが単純なためダイヤグラムを書いたほうが解きやすい。
・ダイヤグラムを書いた後の解き方は複数あるが、速さと比に関する理解をしっかり深める&相似を活用する ことで、すばやく解くことができる。