今回は 2021年度第1回淑徳与野の簡易解説をお送りします。
まずは,今年度の結果をご覧下さい。
全体的な印象ですが、例年に比べ、かなり易化したなと感じました。
具体的には、1番の小問集合で単位変換に関する問題がなくなり、2番のやや難しい小問集合が2問しか出題されませんでした。
また、毎年出題される図形の移動や立体図形に関する問題も、例年以上に易しく、算数に関してはかなり点が取りやすい問題構成でした。
平均点が約7割ほどなので、その後の都内入試などを考えると、7割後半~8割くらいは取っておきたいかなと思いました。
では、各問題に触れていきます。
1番⑴☆ ⑵☆ ⑶☆
解説不要だと思います。確実に正解したいです。
2番⑴☆ ⑵☆
ここも解説不要だと思います。
⑴の通過算は塾のテキストなどでもよく見かけるタイプです。
⑵分母・分子の差が1、合計が2021なので、和差算に持ち込めますね。
3番⑴☆ ⑵☆ ⑶☆
食塩水のやり取りの問題ですが、やり取りも難しくなく、完答できた受験生も多かったと思われます。
やり取りの問題の際は、分母→食塩水全体の重さ、分子→とけている食塩 を表すようにすると良いと思います。
また、食塩水を混ぜる場合は①面積図や②天びん図を用いる場合が多いと思いますが、手際よく処理していきたいので、天びん図を用いることをおすすめします。
⑵は、操作①の時点で、Cの濃さが7.5%なので、7%にするには5%のBを入れるしかないですね。
(10%のAを入れてしまうと、濃くなってしまいます)
⑶は、操作②終了時点で、Aは10%、100g、Bは5%、200g残っていることがわかるので、
混ぜて7%にする際に、必要な量はA:B=2:3となれば良いので、少ない方のAに合わせて考えれば良いことになります。
(ちなみに、Bに合わせて考えると、Aが足りなくなってしまいます)
4番⑴☆ ⑵やや☆☆
⑴ 中学数学の幾何分野で、円に内接する四角形の性質を勉強するので、それを使うと非常に簡単なのですが(笑)。
今回の問題に限らず、円が出てきたときに重要なことは、円は中心からの距離が等しい点の集まりなので、半径が等しく、二等辺三角形や正三角形といった特殊な三角形が見つけやすいです。
今回も二等辺三角形がいくつも見つかるので、そこに着目しましょう。
⑵は☆☆としましたが、正直☆にしたいレベルですね。
塾のテキストにも頻出ですし、会話文がありそれがヒントにもなるので、解けた受験生も多かったと思います。
5番⑴☆ ⑵☆ ⑶☆
毎年淑徳与野は難しい図形の移動の問題が出題されますが、今年の問題は非常に簡単でした。
動きも単純ですし、動いた後の図もイメージしやすいので、完答できた受験生も多かったと思います。
6番⑴☆ ⑵☆ ⑶☆
普段の時計と異なる時計算の問題です。
ここ最近は、本問のように普段の時計とは異なる時計が出てくることがほとんどです。
2020年度第1回海城中学の算数、5番の問題が参考になると思います。
決して難しくはないですが、時計算を苦手とする生徒さんは多いので、6番は差がつく問題だと思います。
7番⑴☆ ⑵☆☆
毎年淑徳与野は立体図形の問題が出題されますが、5番の図形の移動同様、非常に簡単でした。
本問と似た問題として、2017年度第1回立教新座の算数、4番の問題が非常に参考になりますので、
もしよろしければ、参考にしてみて下さい。
体積と表面積の問題は、圧倒的に表面積の方が難しいので、⑵は間違えてしまっても仕方がないですが、本問のレベルであれば、正解できた受験生も多かったかもしれません。
⑴体積は、基本的に全体から穴の部分を引いてあげれば良いですが、解説の図の中央赤い部分が重なっていますので、そこの調整に気をつけましょう。
⑵表面積は、基本的に6方向(上下左右前後)+外側から見えない内側部分 と考えれば良いです。
重複やもれが起きやすいので、なかなか自分の答えに自信が持てないかもしれませんが、あまり深入りしても仕方がないので、一応答えが出たら割り切ってしまって、他の問題の見直しにあてるなどしてあげて下さい。
なお、今回は穴の部分を、中央赤い部分に対して上下と左右に分けて考えてみました。その際注意してほしいのが、中央赤い部分の☆が手前と奥にあり、そこも考慮してあげます(もちろんこれ以外にも考え方はあります。僕自身もそうですが、表面部分を細かく分ける方が考えやすいかなと判断し、今回のように解きました)。